大切に育てているモンステラの葉の色がなんだか薄い、と感じていませんか。艶やかな緑の葉が魅力なだけに、元気がない様子は心配になりますよね。モンステラの葉の色が薄いのはなぜなのか、その原因は一つとは限りません。日照不足は葉の色が薄くなるサインかもしれませんし、水の過不足で葉がふにゃふにゃになることもあります。また、栄養不足で新芽の色が薄いことも考えられ、根詰まりが原因で葉が増えないという状況も起こり得ます。さらに、乾燥や水不足で葉が丸まる症状を見せることもあります。この記事では、モンステラの葉の色が薄い状態からの復活方法を具体的に解説します。そもそも葉が黄色くなったら戻るのか、不要な黄色くなった葉はどうするべきか、そして枯れた葉はどこから切るのが正解か、といった疑問にもお答えします。時には植え替えで根本から改善することも必要です。最近では、日照不足を手軽に解消できる人気の植物育成ライトで元気に育てる方法も注目されています。あなたのモンステラの葉の色が薄い悩みを解決し、再び美しい姿を取り戻すためのお手伝いができれば幸いです。
- 葉の色が薄くなる5つの主な原因とそのメカニズム
- 症状や季節に応じた具体的な水やりや肥料の管理方法
- 黄色くなった葉や枯れた葉の正しい剪定手順と注意点
- モンステラを根本から元気にする植え替えや育成ライトの活用法
モンステラの葉の色が薄いのはなぜ?主な5つの原因
- 日照不足は葉の色が薄くなるサイン
- 水の過不足で葉がふにゃふにゃになる
- 栄養不足で新芽の色が薄いことも
- 根詰まりが原因で葉が増えない?
- 乾燥や水不足で葉が丸まる症状
日照不足は葉の色が薄くなるサイン
モンステラの葉の色が薄くなる最も一般的で、かつ見過ごされがちな原因が日照不足です。植物は光合成によって生命活動に必要なエネルギーを作り出し、同時に葉を緑色に保つ色素「クロロフィル(葉緑素)」を生成します。光の量が不足すると、この光合成が十分に行われず、クロロフィルの生成も滞ってしまいます。結果として、葉の色は徐々に本来の濃い緑から薄い黄緑色へと変化していくのです。
モンステラは本来、熱帯雨林の木々の下で育つ植物のため、強い直射日光は苦手ですが、一定量の明るさは不可欠です。室内で育てる場合、窓から離れた部屋の奥まった場所などでは、人間が感じる以上に植物にとっては光が足りていません。光が不足した環境が続くと、色が薄くなるだけでなく、茎がひょろひょろと間延びする「徒長(とちょう)」という現象も起こり、軟弱な株になってしまいます。
理想的な置き場所は、レースのカーテン越しに柔らかい日差しが入る窓辺です。もし適切な場所がない場合は、午前中だけ日が当たる場所に移動させる、定期的に鉢の向きを変えて株全体に光が当たるようにする、といった工夫が有効です。根本的な解決策については後述しますが、まずは置き場所の見直しから始めてみましょう。
水の過不足で葉がふにゃふにゃになる
緑のしおりイメージ水のやりすぎ(過湿)と水不足(乾燥)は、症状が似ている場合もあり、判断が難しい原因です。どちらも根に深刻なダメージを与え、結果として葉のハリがなくなり、色が薄くなるというサインを発します。
水のやりすぎ(根腐れ)
水のやりすぎは、土が常に湿った状態を保つことになり、土壌内の酸素が不足します。根も呼吸をしているため、酸素不足に陥ると窒息状態となり、やがて腐敗してしまいます。これが「根腐れ」です。腐った根は水分や養分を吸収する能力を失うため、地上部は水分不足と同じような症状、つまり葉がしおれて黄色く変色したり、ふにゃふにゃになったりします。腐敗が進むと、土から異臭がすることもあります。
水不足(乾燥)
一方で、長期間の水やり不足は、物理的に植物の水分を枯渇させます。モンステラは比較的乾燥に強い植物ですが、限界を超えると葉の細胞から水分が失われ、ハリを保てなくなりしおれてしまいます。この状態が続くと、葉の色も薄くなっていきます。
| 季節 | 水やりのタイミング | 注意点 |
|---|---|---|
| 春・秋(生育期) | 土の表面が完全に乾いたら | 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。成長が活発な時期です。 |
| 夏(生育旺盛期) | 土の表面が乾いたら(乾くのが早い) | 蒸散が激しいため、土の乾きをこまめにチェックします。夕方の涼しい時間帯がおすすめです。 |
| 冬(休眠期) | 土の表面が乾いてから2〜3日後 | 成長が緩やかになるため、水の吸い上げも減少します。乾燥気味に管理するのが根腐れ防止のコツです。 |
水やりの基本は、季節を問わず「土の状態を見て判断する」ことです。指を土に差し込んでみて、内部の湿り気を確認する習慣をつけましょう。そして、受け皿に溜まった水は、根腐れの最大の原因となるため、必ず毎回捨てることが重要です。
栄養不足で新芽の色が薄いことも
モンステラの生育期である春から秋にかけて、株は盛んに成長し多くの栄養を必要とします。この時期に、特に新しく出てくる葉の色が薄い場合、栄養不足、中でも「窒素(N)」の不足が考えられます。
植物の成長に欠かせない「肥料の三要素」として、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)があります。ハイポネックスジャパンの解説によると、窒素は葉や茎の成長を促進する働きがあるため「葉肥(はごえ)」とも呼ばれます。この窒素が不足すると、葉の緑色を作り出すクロロフィルの生成が妨げられ、葉色全体が薄く、特に新しい葉でその症状が顕著に現れます。
長年植え替えをしていない鉢では、土の中の栄養分が枯渇している可能性が高いです。対策としては、生育期に観葉植物用の肥料を適切に与えることが効果的です。即効性のある液体肥料を月に1〜2回、または効果が長く続く固形の置き肥を2ヶ月に1回程度、製品の規定量を守って与えましょう。
ただし、弱っている時に濃い肥料を与えると、かえって根を傷める「肥料焼け」を起こす可能性があります。まずは規定より少し薄めの液体肥料から始めるか、植物の活力を高める「活力剤」を使用するのも良い方法です。
根詰まりが原因で葉が増えない?
緑のしおりイメージ購入してから1〜2年以上植え替えをしていない場合、「根詰まり」が原因で葉の色が悪くなっている可能性があります。鉢の中で根が成長し、スペースがなくなると、様々な生育不良を引き起こします。
根詰まりを起こした鉢の中は、根が密集して固い塊のようになっています。こうなると、新しい根が伸びる余地がなくなり、水分や養分の吸収能力が著しく低下します。また、土の量が相対的に減ってしまうため、水を与えてもすぐに鉢底から流れ出てしまい、保水性が悪化します。結果として、水や肥料を十分に吸収できず、葉の色が薄くなったり、新しい葉が出なくなったり、出ても小さかったりするのです。
根詰まりをチェックするサイン
- 鉢の底の穴から根がはみ出して見える
- 土の表面に根が盛り上がってきている
- 水やりをしても、水が土に染み込まず表面を流れてしまう
- 鉢を持ち上げると、以前より軽く感じる
- 株全体に元気がない、葉の成長が止まった
これらのサインが複数見られる場合は、根詰まりを起こしている可能性が高いでしょう。この状態は、水やりや施肥といった日々のケアだけでは改善できません。後述する「植え替え」を行い、根がのびのびと成長できる環境を再構築してあげることが必要です。
乾燥や水不足で葉が丸まる症状
緑のしおりイメージモンステラの葉が内側にくるんと丸まってしまうのは、植物が体内の水分を守ろうとするサインです。主に、空気の乾燥や水分の不足によって、葉の表面にある「気孔」からの蒸散が過剰になるのを防ぐための自己防衛反応です。
特に注意が必要なのが、エアコンの風が直接当たる場所です。暖房・冷房ともに、その風は極度に乾燥しているため、植物の水分を急激に奪います。これにより、葉が丸まったり、葉の縁が茶色く枯れ込んだりする原因となります。
また、単純な水不足でも同様の症状が現れます。土が乾いてカラカラの状態で葉が丸まっている場合は、速やかな水やりが必要です。
日常的な対策として最も有効なのが、「葉水(はみず)」です。霧吹きを使って葉の表と裏にまんべんなく水を吹きかけることで、葉の周りの湿度を高め、乾燥を防ぎます。葉水は、乾燥した環境を好むハダニなどの害虫の発生を予防する効果も期待できるため、一年を通してこまめに行うことをおすすめします。特に空気が乾燥する冬場は、加湿器を併用するのも良いでしょう。
モンステラの葉の色が薄い状態からの復活方法
- そもそも葉が黄色くなったら戻る?
- 不要な黄色くなった葉はどうするべきか
- 枯れた葉はどこから切るのが正解?
- 植え替えで根本から改善しよう
- 人気の植物育成ライトで元気に育てる
- モンステラの葉の色が薄い悩みを解決
そもそも葉が黄色くなったら戻る?
緑のしおりイメージまず知っておきたい大切なことは、一度黄色く変色してしまった葉は、残念ながら元の鮮やかな緑色には戻らない、という事実です。葉の黄色化は、葉緑素が分解された最終的な状態で、これは人間でいう老化のようなもので、不可逆的な変化なのです。
しかし、「葉が黄色い=株が枯れる」と直結するわけではありません。重要なのは、その黄色化が「生理的な現象」なのか「株の異常を示すサイン」なのかを見極めることです。
| チェック項目 | 生理現象(新陳代謝) | 異常のサイン(要対処) |
|---|---|---|
| 場所 | 株元の最も古い下葉 | 場所を問わず、複数の葉や新芽 |
| 枚数 | 1〜2枚がゆっくりと変化する | 短期間に多くの葉が次々と変化する |
| 株全体の様子 | 新しい芽が元気に成長している | 株全体に元気がなく、成長が止まっている |
下葉が自然に黄色くなり落ちていくのは、新しい葉へ栄養を集中させるための新陳代謝です。この場合は特に心配する必要はありません。一方で、複数の葉が同時に黄色くなる、新芽まで色が薄いといった場合は、根腐れや病害虫など、株全体に関わる問題が発生している可能性が高いと考えられます。黄色い葉そのものは戻りませんが、原因を特定し取り除くことで、株の健康を取り戻すことができます。
不要な黄色くなった葉はどうするべきか
緑のしおりイメージ前述の通り、黄色くなった葉は回復しないため、基本的には剪定して取り除くのが最善の策です。そのままにしておくと、見た目が悪いだけでなく、植物の健康にとってもいくつかのデメリットが生じます。
剪定する3つのメリット
- 病害虫の予防: 枯れかかった葉は、湿気が溜まりやすく、カビや病原菌の温床になりがちです。また、弱った部分には害虫もつきやすくなります。これらを取り除くことで、株全体を清潔に保ち、病害虫のリスクを低減できます。
- 栄養の効率化: 植物は、枯れゆく葉にもわずかながらエネルギーを送り続けようとします。これを切り取ることで、その分のエネルギーを新しい芽の展開や健康な葉の維持など、これからの成長に集中させることができます。
- 日当たりと風通しの改善: 不要な葉を取り除くことで、株内部への日当たりや風通しが良くなります。これにより、下の方の葉にも光が届きやすくなり、全体の光合成が促進されます。また、風通しが良くなることは、病気の予防にも直結します。
これらの理由から、見栄えと健康の両面を考慮し、黄色くなった葉は早めに付け根から剪定することをおすすめします。
枯れた葉はどこから切るのが正解?
緑のしおりイメージ枯れた葉や黄色くなった葉を剪定する際は、正しい位置と方法で行うことが、株へのダメージを最小限に抑える上で重要です。適切な道具を用意し、手順に沿って行いましょう。
剪定する位置は、葉そのものではなく、葉と太い茎をつなぐ「葉柄(ようへい)」の付け根です。茎本体を傷つけないように注意しながら、葉柄の根元ギリギリの位置で切り取ります。中途半端に葉柄を残してしまうと、その部分がやがて枯れて見栄えが悪くなるだけでなく、そこから雑菌が侵入する可能性もあります。
剪定の手順と注意点
- 道具の準備: 清潔で切れ味の良い剪定バサミや園芸用ハサミを用意します。使用前に刃をアルコールティッシュなどで拭いて消毒すると、切り口からの病気の感染を防げます。
- 位置の確認: 切り取る葉の葉柄をたどり、茎との分岐点を確認します。
- カット: 茎を傷つけないよう、葉柄の付け根で一気に切り落とします。
注意:樹液によるかぶれ
モンステラを含むサトイモ科の植物は、茎や葉を切ると白い樹液が出てきます。この樹液には「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶が含まれており、皮膚に付着するとかゆみやかぶれを引き起こすことがあります。肌の弱い方は、作業の際に園芸用の手袋を着用すると安心です。もし樹液が皮膚についてしまった場合は、すぐに水でよく洗い流してください。
植え替えで根本から改善しよう
葉の色が薄い原因が根腐れや根詰まりである場合、日々のケアだけでの回復は困難です。このような根の問題を解決するためには、植え替えが最も確実で効果的な方法となります。根が健康に呼吸し、成長できる新しい環境を用意してあげましょう。
植え替えの最適な時期は、モンステラの生育期にあたる5月〜9月頃です。この時期は気候が安定しており、植え替えによるダメージからの回復も早くなります。
植え替えの詳細な手順
- 準備: 現在の鉢より一回り(直径で3cm程度)大きい鉢、新しい観葉植物用の土、鉢底石、鉢底ネットを用意します。
- 株の取り出し: 鉢の縁を軽く叩きながら、株元を持ってゆっくりと引き抜きます。抜けにくい場合は、無理に引っ張らず、鉢を横にして慎重に作業します。
- 根の整理: 根鉢の周りの固まった古い土を、手で優しく3分の1ほどほぐし落とします。この時、黒く変色してブヨブヨした根(腐った根)や、乾燥してスカスカの根があれば、消毒したハサミで全て切り取ります。
- 植え付け: 新しい鉢の底にネットと鉢底石を敷き、土を少し入れます。モンステラを中央に配置し、根の周りに新しい土を隙間なく入れていきます。鉢を軽く揺すったり、棒でつついたりして、根の間に土がしっかり入るようにします。
- 水やり: 植え付け後、鉢底から透明な水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。これで土の中の微塵が洗い流され、根と土が密着します。
植え替え直後の1〜2週間は、植物が新しい環境に慣れるための大切な期間です。直射日光の当たらない明るい日陰で管理し、肥料は与えないでください。土の表面が乾いたら水を与える程度にし、過湿にならないよう注意深く見守りましょう。
人気の植物育成ライトで元気に育てる
「マンションの構造上、日当たりの良い部屋がない」「冬や梅雨の時期はほとんど太陽が出ない」など、日照条件の確保が難しい環境は少なくありません。そうした悩みを根本的に解決してくれるのが「植物育成ライト」です。
植物育成ライトは、植物の光合成に必要な波長の光を人工的に照射する照明器具です。太陽光は様々な色の光(波長)で構成されていますが、植物の成長には特に赤色光と青色光が重要とされています。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の研究でも、LEDを利用した光の波長制御が植物の成長に与える影響が示されており、植物育成ライトはこうした科学的知見に基づいています。
近年はLED技術の進化により、高機能かつ省エネ、そしてデザイン性の高い製品が手頃な価格で手に入るようになりました。クリップ式で手軽に設置できるものから、スタンド式、吊り下げ式など、お部屋の環境に合わせて様々なタイプを選べます。
植物育成ライトを選ぶポイント
- 光の強さ(PPFD): モンステラのような観葉植物には、高すぎる数値は不要ですが、ある程度の光量は必要です。製品仕様を確認しましょう。
- 照射範囲: 株全体に光が当たるよう、適切な照射範囲を持つライトを選びます。
- タイマー機能: 毎日決まった時間に自動でオン・オフできるタイマー機能付きの製品は、管理が非常に楽になりおすすめです。一般的に1日に10〜12時間程度の照射が目安です。
葉の色が薄い原因が日照不足であるならば、植物育成ライトの導入は最も確実な解決策の一つです。天候に左右されずに安定した光を供給することで、モンステラは本来の美しい緑色を取り戻し、健康的に成長してくれるでしょう。
モンステラの葉の色が薄い悩みを解決
- モンステラの葉の色が薄くなるのは株からの重要なSOSサイン
- 主な原因は日照・水・栄養・根の問題で複合的な場合もある
- 光合成不足が葉色を薄くする最大の原因で置き場所が重要
- 理想はレースカーテン越しで直射日光は葉焼けを起こすためNG
- 水のやりすぎは根腐れを招き結果的に水分不足と同じ症状に
- 土の内部まで乾いたのを確認してから水やりをするのが基本
- 生育期に新芽の色が薄いなら窒素を中心とした肥料不足かも
- 肥料の与えすぎは根を傷めるため規定量を守ることが大切
- 2年以上植え替えていないなら根詰まりの可能性を疑ってみる
- 鉢底から根が見えたり水の染み込みが悪いのは植え替えのサイン
- エアコンの風が引き起こす極度の乾燥は葉が丸まる原因になる
- 霧吹きでの葉水は湿度を保ちハダニなどの害虫予防にもなる
- 一度完全に黄色くなった葉は元に戻らないため付け根から切る
- 剪定は株の健康を保ち新しい成長を促すための重要な作業
- 日照不足が改善できない環境では植物育成ライトが最も有効


