エバーフレッシュ PR

エバーフレッシュの受粉を成功させて赤い実を楽しむ!花が落ちる原因と対策

エバーフレッシュの花に、柔らかい筆を使って丁寧に人工授粉を行っている女性の手元のクローズアップ写真。
記事内に商品プロモーションを含む場合があります。写真はイメージです。

こんにちは。緑のしおりの「パーシー」です。

夜になると葉を閉じて眠る姿が愛らしいエバーフレッシュ。その繊細な姿と、まるで呼吸をしているかのような就眠運動(しゅうみんうんどう)に癒やされ、観葉植物としてお部屋に迎えている方も多いのではないでしょうか。リビングのシンボルツリーとして、あるいはデスクサイドの緑として、私たちの生活に寄り添ってくれる特別な存在ですよね。

実はこの子、条件がバチッと揃うと、ふわふわとした黄色い綿毛のような花を咲かせ、その後には息を呑むほど鮮やかな赤い実をつけることをご存知ですか?「エバーフレッシュに花が咲くなんて知らなかった!」と驚かれることも多いのですが、その一方で、実際に長く育てている方からは「全然花が咲かない」とか、せっかく咲いても「花がすぐに落ちるだけで実にならない」といった切実な悩みに直面することがよくあります。

「エバーフレッシュの受粉」や実がなるメカニズムは、少しだけ複雑で、植物ならではの神秘的なルールに支配されています。でも、安心してください。そのルールさえ理解してしまえば、私たちが手を貸してあげることで、あの美しい赤い実に出会える確率は劇的に上がります。今回は、私が長年エバーフレッシュと向き合う中で学んだ、開花から結実までの不思議な生態と、私たちができる「お世話」について、徹底的に深掘りしてお話しします。

エバーフレッシュの受粉と花が落ちる原因

エバーフレッシュを愛情深く育てていると、ある日突然、葉の脇からポツポツと小さな丸い蕾(つぼみ)がつき始めることがあります。「やった!ついに花が咲く!」と胸が高鳴る瞬間ですよね。でも、そこから無事に花が開き、そして実がなるまでには、いくつかの超えなければならないハードルがあるんです。

「蕾のまま茶色くなって落ちてしまった」「咲いたと思ったら翌日には床に散らばっていた」……そんな悲しい経験をしないためにも、まずはなぜ花が咲かなかったり、途中で落ちてしまったりするのか、その植物学的な理由と、自生地とは違う日本の室内環境ならではの要因について、じっくりと見ていきましょう。

エバーフレッシュの花が咲かない理由

日当たりの良い窓辺で健康に育つエバーフレッシュと、光不足で葉が黄色くなり元気がないエバーフレッシュの比較画像。緑のしおりイメージ

「うちのエバーフレッシュ、もう3年も育てているのに、一度も花が咲かないんです。肥料もあげているし、日当たりも悪くないはずなのに……」

緑のしおりの読者さんからも、このような相談を頻繁にいただきます。育て方に自信をなくしてしまっている方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。これ、実はあなたの育て方の問題ではなく、まだその木が「大人」になっていない可能性が非常に高いんです。

植物には、発芽してから一定の期間、花や実をつける生殖成長を行わずに、体を作る栄養成長のみに専念する「未熟期(Juvenile phase:ジュブナイルフェーズ)」という期間があります。エバーフレッシュ(和名:アカサヤネムノキ)は、特にこの期間が比較的長い樹木の一つです。

種から育った実生苗(みしょうなえ)の場合、花を咲かせる能力を持つ「性成熟」の状態になるまで、早くて数年、長いと環境によっては10年近くかかることもあります。園芸店やホームセンターで売られている、テーブルに置けるサイズの小さな鉢植えは、まだ人間でいうところの小学生くらいの子供の状態であることが多いんですね。

パーシーのメモ:挿し木苗なら早いかも?

一方で、すでに開花能力を持っている大人の木から枝を切り取って挿し木(さしき)にした苗の場合は、比較的小さくても花を咲かせることがあります。これは、枝自体がすでに「大人の性質」を受け継いでいるからです。ただ、一般的に流通しているエバーフレッシュの多くは実生苗なので、やはり気長に待つ姿勢が大切です。

では、どのくらい育てば花が咲くのでしょうか。私の経験や多くの栽培データを総合すると、一つの目安として「幹の木質化」と「樹高」が挙げられます。緑色の柔らかい茎ではなく、幹が茶色くゴツゴツと木質化してしっかり太くなり、背丈もある程度(例えば1m〜1.5m以上)大きくなってくると、植物体内でホルモンバランスが変化し、ある日突然スイッチが入ったように蕾をつけ始めることがあります。

「咲かないなぁ」と焦るのではなく、「今は体を大きくするための準備期間なんだな」と温かく見守ってあげてください。その分、初めて蕾を見つけた時の感動はひとしおですよ。

花がすぐ落ちるのは環境ストレスが原因

さて、ついに花が咲いたとしましょう。エバーフレッシュの花は、黄色くて丸いボンボンのような形をしていて、とても可愛らしいですよね。でも、その喜びも束の間。「翌朝起きたら、花が全部床に落ちていた……」という悲劇は、エバーフレッシュあるあるの一つです。

「えっ、花って一日で散るものなの?」と思うかもしれませんが、受粉に失敗したとしても、あまりにも早く、そして大量にボロボロと落ちてしまう場合は、植物からの「今は実を育てる余裕がないよ!自分の命を守るのに精一杯だよ!」というSOSサインである可能性が高いです。

植物生理学的に言うと、これは「生理的落花(せいりてきらっか)」と呼ばれる現象です。植物は環境ストレスを感じると、「アブシジン酸」という植物ホルモンを生成し、花や実の付け根に「離層(りそう)」という細胞層を作って、自ら花を切り離してしまいます。エバーフレッシュは、このセンサーが非常に敏感なんです。

具体的に、どのようなストレスが落花を引き起こすのでしょうか。主な原因は以下の3つです。

ストレス要因 具体的な状況と植物の反応
水不足(乾燥ストレス) 土が乾きすぎている状態です。花や実を維持するには大量の水分が必要ですが、生命維持に必要な水分が足りないと判断すると、植物は蒸散を防ぐために、コストのかかる花を捨てて、光合成を行う葉を守ろうとする防衛本能が働きます。
光量不足 エバーフレッシュは本来、熱帯の日当たりの良い場所に生える木です。室内の薄暗い場所では、光合成で作られるエネルギー(糖分)が不足します。実を育てるには莫大なエネルギーが必要なので、体力不足で維持できなくなり、花を落とします。
急激な温度変化 これが一番多い原因かもしれません。エアコンの風が直接当たったり、冬場の窓際で夜間に急激に冷え込んだりすると、植物はショックを受けます。特に15℃を下回るような低温や、暖房による極度の乾燥風は、繊細な花器を一瞬でダメにしてしまいます。

これらのストレスを取り除いてあげることが、花を長く楽しむ、そして結実させるための第一歩です。環境省の生物多様性センターなどの資料でも、植物が環境変化にいかに敏感に応答するか、そのメカニズムの複雑さが語られていますが(出典:環境省 生物多様性センター)、室内園芸においても、できるだけ「自生地の安定した環境」に近づけてあげることが成功の鍵となります。

植物育成ライトの購入はこちらから

↓↓↓

Amazonで購入楽天市場で購入

エバーフレッシュの実がなる仕組み

エバーフレッシュの黄色い花が咲き終わり、ねじれた形の小さな緑色の実(さや)が形成され始めている様子のクローズアップ。緑のしおりイメージ

無事に環境ストレスを乗り越え、受粉が成功すると、あのフワフワした黄色い花からは想像もつかないような姿への変身が始まります。

まず、花(雄しべ)が散った後、中心部から緑色のひょろりとした「莢(さや)」が伸びてきます。マメ科の植物なので、エンドウ豆やインゲン豆のようなものを想像するかもしれませんが、エバーフレッシュの莢はもっとユニークです。

成長するにつれて、莢は数珠のようにくびれながら、グルグルと螺旋状(らせんじょう)にねじれていきます。その姿はまるでアート作品のよう。そして成熟のクライマックスを迎えると、それまで緑色だった莢が、驚くほど鮮やかな赤色(アカサヤ)へと劇的に変色します。

さらに完熟すると、赤い莢がパカッと裂開し、その内側には鮮やかなオレンジ色や赤色の果肉があり、そこから漆黒の丸い種がぶら下がるように顔を出します。

鳥に見つけてもらうための「二色効果」

なぜこんなに派手な色をしているのでしょうか?それは、自然界での「種子散布戦略」に関係しています。緑の森の中で、「赤」と「黒」のコントラストは非常に目立ちます。これは、視覚の発達した鳥たちに「ここに美味しい実があるよ!」と強烈にアピールするためのシグナルなんです(これを二色効果といいます)。鳥に食べてもらい、遠くへ運んでもらってフンと一緒に種を蒔いてもらう……エバーフレッシュは、そうやって命を繋いできた賢い植物なんですね。

開花時期と受粉に適したタイミング

受粉に適したタイミングの、満開を迎えたエバーフレッシュの黄色く丸い花のクローズアップ写真。緑のしおりイメージ

では、エバーフレッシュはいつ花を咲かせるのでしょうか。

自生地である中南米の熱帯地域では、乾季の終わりから雨季にかけて開花することが多いようですが、日本の室内環境では、気温が上がり日照時間が長くなる4月から9月頃が開花シーズンとなります。特に、梅雨入り前から真夏にかけての、気温が20℃〜25℃以上で安定する時期に、最も活発に開花します。

この時期に十分な光と温度があり、株が充実していると、一つの花が終わっても、また次の蕾が出てきて……と、数ヶ月にわたって断続的に花を楽しむことができます。

しかし、受粉のチャンスという意味では、時間は非常に限られています。一つの花の寿命はとても短く、実質的には1日〜2日しかありません。特に、受粉能力が高いのは、花が完全に開いて雄しべがピンと伸び、フワフワのポンポン状態になった「その日の午前中からお昼過ぎ(10:00〜14:00頃)」が勝負です。

午後になり、夕方が近づくと、雄しべは徐々に萎れて茶色くなり始め、花粉の受精能力も低下してしまいます。ですから、「あ、咲いてる!」と気づいたら、後回しにせず、その場ですぐにアクションを起こすことが重要です。朝のコーヒータイムや、出勤前の数分間が、運命の分かれ道になるかもしれません。

室内栽培では人工授粉が必須なわけ

自然の媒介者がいない清潔な室内のリビングルームで、窓辺に置かれたエバーフレッシュの鉢植えと、リラックスして本を読む女性の様子。緑のしおりイメージ

「自然に任せておけば、いつか勝手に実がなるんじゃないの?」

そう思う方もいるかもしれませんが、残念ながら、日本の一般的な住宅の室内環境では、自然受粉はほぼ期待できません。確率で言えばゼロに近いでしょう。なぜなら、エバーフレッシュは「虫媒花(ちゅうばいか)」だからです。

自生地では、花の甘い香りや鮮やかな色に誘われて、ハチやアリ、あるいは蝶などの昆虫たちが花を訪れます。彼らが蜜を求めて花の上を歩き回ることで、体中に花粉がつき、それがめしべの柱頭(ちゅうとう)に付着して受粉が完了します。

しかし、高気密な現代の住宅、しかも網戸のある室内には、受粉を媒介してくれるような昆虫はいません(もし部屋の中にハチがブンブン飛んでいたら、それはそれで大問題ですしね!)。

また、スギやヒノキのように風で花粉を運ぶ「風媒花」でもありません。エバーフレッシュの花粉は少し粘り気があり、重たいため、エアコンの風やサーキュレーターの風程度では、空中に舞って受粉することはないのです。

農林水産省の資料でも、農業現場における花粉媒介昆虫(ポリネーター)の減少が課題として挙げられていますが(出典:農林水産省 花粉交配用昆虫について)、室内という「昆虫のいない閉鎖空間」では、なおさら受粉は成立しません。

つまり、私たちが「虫の代わり」をしてあげないと、あの受粉プロセスは永遠に始まらないのです。ここからは、いよいよ私たちが「人間の手」で愛のキューピッド役を務める、人工授粉の実践編に入ります!

エバーフレッシュの受粉を成功させる鍵

「人工授粉」と聞くと、なんだか専門的で難しそうに感じるかもしれませんが、身構える必要はありません。特別な高価な道具も必要ありませんし、技術もいりません。必要なのは、ちょっとしたコツと、「実よ、なれ!」という愛情だけです。

それでは、実際にどうやって受粉させればいいのか、成功率をぐんと高めるためのポイントと、具体的な手順を詳しく解説していきます。

エバーフレッシュを受粉させる具体的なやり方

受粉作業に入る前に、一つだけ知っておいてほしい、植物学的に非常に重要な事実があります。それは、エバーフレッシュを含む多くのマメ科植物が持っている「自家不和合性(じかふわごうせい)」という性質です。

これは簡単に言うと、「自分の花粉が、自分のめしべについても、拒絶反応を起こして種を作らない(あるいは作りにくい)」という仕組みです。植物は、近親交配を避けて遺伝子の多様性を保つために、自分とは異なる遺伝子を持つ相手の花粉を好むように進化してきました。

1鉢しかない場合はどうする?

「えっ、うちは1鉢しか育ててないよ!」という方も多いと思います。安心してください。自家不和合性は「絶対」ではなく、植物の状態や環境によっては、1本の木(自家受粉)でも結実することはあります。ただし、異なる遺伝子の花粉をもらう場合に比べて、確率はどうしても低くなり、せっかく実ができても途中で生理落下しやすくなる傾向があります。

もし、ご友人もエバーフレッシュを育てているなら、開花のタイミングに合わせて花粉を交換し合うのも素敵ですね。あるいは、もしスペースに余裕があって「絶対に実を見たい!」という情熱があるなら、遺伝的に異なる(別の親から生まれた、あるいは別の生産者さんから購入した)2つの株を用意して、お互いの花粉を交換させてあげる「クロス・ポリネーション(他家受粉)」を行うのが、生物学的にも最も確実で、結実への一番の近道です。

とはいえ、まずは目の前にあるその一鉢でチャレンジしてみましょう。何度もトライしていれば、相性の良いタイミングが来て、結実してくれることも十分にありますから!

筆を使った人工授粉の簡単な手順

エバーフレッシュの花に、柔らかい筆を使って丁寧に人工授粉を行っている女性の手元のクローズアップ写真。緑のしおりイメージ

それでは、具体的な手順をご紹介します。私がいつもやっている、一番成功率の高い方法です。

【用意するもの】

  • 柔らかい絵筆:100円ショップで売っているもので十分です。水彩画用などの、毛先がフワフワしたものがベスト。
  • 梵天(ぼんてん):耳かきの後ろについている白いフワフワのことです。これ、実は花粉をキャッチするのに最適なんです。
  • 綿棒:筆や梵天がない場合は綿棒でも代用可能ですが、花粉を絡め取る力は筆の方が上です。

手順は以下の3ステップです。

手順1 花粉を集める

花が満開になっている午前中に、筆先や梵天で、あの黄色いポンポンの全体を優しく撫でるように接触させます。雄しべの先端には「葯(やく)」という花粉が入った袋があります。ここをコチョコチョとくすぐるイメージです。筆先に、黄色っぽい粉(花粉)がついたのを目視で確認してください。

手順2 めしべに付ける

その花粉がついた筆を使って、花序(花の集まり)の中心部や全体をまんべんなく撫で回します。エバーフレッシュのめしべは、多数ある雄しべの中に混じっていて肉眼で見分けるのは難しいのですが、全体を撫でていれば確率的にめしべの柱頭にヒットします。

※2株ある場合は、Aの木の花粉を取ってBの木へ、Bの木の花粉を取ってAの木へ移動させます。

手順3 環境をキープ

受粉作業が終わったら、そっとしておきます。この時期は「乾燥」が大敵です。花粉が発芽して花粉管を伸ばすには適度な湿度が必要ですが、かといって花に直接ビシャビシャと霧吹きで水をかけると、花粉が破裂したり洗い流されたりして逆効果になることがあります。霧吹きをするなら、花にかからないように周りの葉っぱに向けて「葉水」をして、周囲の湿度を上げてあげるのがテクニックです。

赤い実ができるまでの成長過程

エバーフレッシュの黄色い花、緑色の若いねじれた実、そして熟して弾けた赤い実と黒い種子の成長過程を示す連続写真。緑のしおりイメージ

さて、人工授粉を行ってから数日が経過しました。「うまく受粉できたかな?」とドキドキしながら観察を続けましょう。

受粉が失敗していた場合、花は茶色く変色し、花柄(かへい)という細い茎の部分からポロリと床に落ちてしまいます。これはとても残念な瞬間ですが、気落ちしないでください。植物の体力が十分にあれば、またすぐに次の蕾が出てきますから、次のチャンスを待ちましょう。

一方、受粉が成功していると、雄しべなどの花の部分は落ちますが、その中心部から小さな緑色の突起が残り、枝にしがみつくように残ります。これこそが、将来の「莢(さや)」の赤ちゃんです!

この小さな緑の莢は、最初は1〜2cmほどの可愛らしいサイズですが、数週間から1ヶ月ほどかけてゆっくりと、しかし確実に成長していきます。成長するにつれて、莢はただ伸びるのではなく、まるでコイルのように、あるいは螺旋階段のように、グルグルとねじれながら太っていきます。

そして、開花から約1ヶ月〜2ヶ月後。ある日、それまで緑色だった莢が、部分的に赤くなり始めます。そこからは早いです。あっという間に全体が鮮烈なルビーレッドへと染まり上がり、お部屋の中で圧倒的な存在感を放ち始めます。この色彩の変化は本当に劇的で美しく、毎日見ていても飽きないほど。「ああ、手をかけて良かったな」と心から思える瞬間です。

収穫した種の種まきと発芽管理

園芸用手袋をした女性の手が、黒く輝くエバーフレッシュの種を育苗ポットの土に丁寧にまいている様子のクローズアップ。緑のしおりイメージ

赤い莢が完全に熟すと、自然にパカッと割れて(裂開して)、中からオレンジ色の果肉に包まれた、艶やかな黒い種が見えてきます。ここまで来たら、いよいよ収穫の時です。

種を採って、「いつか蒔こう」と引き出しにしまおうとしていませんか?ちょっと待って!エバーフレッシュの種は「難貯蔵性種子(なんちょぞうせいしゅし)」の傾向があり、乾燥に非常に弱いのです。種皮が乾いてしまうと、発芽能力が一気に失われてしまいます。

ですので、種を採ったら、その日のうちに、あるいは数日以内に蒔いてしまう「とりまき(採り蒔き)」が基本中の基本です。

発芽率を上げる「種まき」3ステップ

  1. 徹底的に洗う:種子の周りについている果肉やヌメリには、「発芽抑制物質」が含まれています。これを残したまま蒔くと発芽しにくいうえに、土の中でカビが生える原因になります。ザルなどを使って、水でヌメリがなくなるまでキュキュッと完全に洗い流してください。
  2. 清潔な土に埋める:肥料分の入っていない、清潔な土(市販の「種まき用土」や「赤玉土の小粒」、「バーミキュライト」など)を用意します。指で軽く穴を開け、種を横向きに置いて、種が隠れる程度(5mm〜1cmくらい)土を被せます。
  3. 保湿と保温:たっぷりと水をやり、その後も土の表面が乾かないように霧吹きなどで管理します。発芽適温は20℃〜25℃。暖かい場所に置きましょう。ラップをふんわりかけて湿度を保つのも有効です(カビには注意!)。

環境が良ければ、2週間〜1ヶ月ほどで、土の中からニョキッと元気な新芽が顔を出します。最初は双葉ですが、すぐにエバーフレッシュらしい、あの繊細な羽状複葉(うじょうふくよう)が展開します。自分で受粉させて、採った種から育てた「実生苗(みしょうなえ)」は、買った苗とは比べ物にならないほど愛着が湧くはずです。お友達にプレゼントしても喜ばれますよ!

サンアンドホープ 赤玉土小粒の購入はこちらから

↓↓↓

Amazonで購入楽天市場で購入

 

剪定を行って花芽を増やすコツ

明るい室内で、女性が剪定ばさみを使ってエバーフレッシュの鉢植えの徒長した枝を慎重に切り戻している様子。緑のしおりイメージ

「今年は花が少なかったな」「来年こそはもっと沢山咲かせて、鈴なりの赤い実を見てみたい!」

そんな野望をお持ちの方は、ぜひ「剪定(せんてい)」にチャレンジしてみましょう。実は、剪定は単に樹形を整えるだけでなく、花芽を増やすための重要なテクニックでもあるんです。

エバーフレッシュの花は、その年の春から夏にかけて新しく伸びた枝(新梢)の葉の脇(葉腋)に形成される性質があります。つまり、「新しい枝が増えれば、それだけ花が咲く場所も増える」ということです。

剪定のベストシーズンは、成長が本格化する前の春先(3月〜4月頃)です。この時期に、古くなった枝や、内側に向かって伸びている混み合った枝、ひょろひょろと徒長した弱い枝を思い切ってカットします。

枝先を切ることで、植物の頂芽優勢(ちょうがゆうせい)が崩れ、切った場所の下から複数の新しい脇芽が勢いよく伸びてきます。こうして枝数を増やしてあげることで、結果として花芽の数を増やすことができるのです。

また、剪定をして枝葉を透かし、風通しを良くしてあげることは、エバーフレッシュの大敵である「カイガラムシ」や「ハダニ」などの害虫予防にもなり、病気を防いで植物の健康を守ることにも直結します。健康な体があってこその、美しい花と実ですからね。

剪定ばさみ SOLOTODO プロの購入はこちらから

↓↓↓

Amazonで購入楽天市場で購入

エバーフレッシュの受粉と実を楽しむために

今回は「エバーフレッシュ 受粉」をテーマに、花が咲かない理由から、私たちができる人工授粉の具体的な方法、そして種の収穫まで、長きにわたってお話ししてきました。

エバーフレッシュは、ただそこに置いてあるだけでも、その涼しげな葉姿と、夜になると眠るという愛らしい動きで私たちを癒やしてくれます。でも、そこに「開花」と「結実」というドラマが加わると、植物との生活はもっと奥深く、刺激的なものになります。

「花が落ちちゃった……」とガッカリすることもあるでしょう。でもそれは、植物が一生懸命に環境に適応しようとしている証拠でもあります。そんなサインを受け取ったら、置き場所を変えてみたり、水やりのタイミングを見直してみたりと、植物との対話を深めるチャンスだと捉えてみてください。

もし、あなたのお家のエバーフレッシュに黄色い花が咲いたら、ぜひ筆を片手に「ハチの代わり」に挑戦してみてください。あなたのそのひと手間が、数ヶ月後に鮮やかな「赤い宝石」となって実を結ぶかもしれません。その時の感動は、きっと園芸ライフの忘れられない宝物になるはずです。

焦らず、植物のリズムに寄り添いながら、ゆっくりと実りの時を待つ。そんな豊かな時間を、エバーフレッシュと一緒に楽しんでいきましょうね。