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モンステラを水耕栽培でずっと育てるのは可能?仕立て直しで楽しむコツ

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こんにちは。緑のしおりの「パーシー」です。

モンステラの水耕栽培って、土を使わないから清潔ですし、根っこが水に揺れる様子もおしゃれで、インテリアとしても最高ですよね。でも、「モンステラの水耕栽培で、ずっと育て続けることって本当にできるの?」と疑問に思っている方も多いんじゃないかなと思います。

水だけで育てるのは限界があるの?土からの植え替えは難しいって聞くし、肥料の与え方や頻度もよくわからない。冬の水換えはどうしたらいいんだろう?伸びてきた気根の扱いは?もし根腐れしたら…とか、葉が黄色い、元気がない、枯れるといったサインが出たらどうしよう、とか。

それに、もし順調に大きくなったら、今度はどうやって管理(切り戻し)すればいいんだろう?新芽は出てくる?など、不安は尽きないかも知れません。

この記事では、そんな「モンステラ水耕栽培をずっと楽しみたい」というあなたの疑問や不安に寄り添いながら、基本的な管理方法からトラブル対策まで、私が学んだことをシェアしていきますね。

モンステラ水耕栽培、ずっと育てる基本

「ずっと」育てるためには、まず水耕栽培の基本を知っておくことが大切ですよね。清潔さや手軽さといったメリットの裏側にある、土栽培とはちょっと違う、水耕栽培ならではのスタート方法や管理のポイント。まずは、その「入口」の部分から、一緒にじっくり見ていきましょう。

水だけで平気?ハイドロカルチャーとは

透明なガラス容器の中でハイドロボールとモンステラの白い根がはっきりと見えるクローズアップ画像緑のしおりイメージ

「水耕栽培」と一口に言っても、実は大きく分けて2種類の方法があるかなと思います。どちらを選ぶかで、「ずっと」の実現性が変わってくるんです。

1. 水栽培(水挿し)

これは、剪定した茎や葉を、花瓶(フラワーベース)などに水だけ入れて挿しておく、一番シンプルな方法です。インテリアとしても絵になりますし、発根する様子が毎日観察できるのは楽しいですよね。

ただ、この方法は「一時的」な観賞や「発根させるまで」の管理に向いていると私は思います。株が大きくなってくると、水だけでは株を支えきれず、トップヘビーになって不安定になりがちです。また、水量も少ないため、水質が悪化しやすい(腐りやすい)というデメリットもあります。

2. ハイドロカルチャー

こちらは、ハイドロボール(発泡煉石)やゼオライト、セラミスのような、無機質の栽培用土(人工土壌)を使って植物を「植え込む」方法です。

ハイドロボールは多孔質(たくさんの小さな穴が開いている)なので、水分と同時に酸素も保持してくれるのが最大の強み。根が水に浸かりすぎるのを防ぎ、呼吸を助けてくれます。

もし「ずっと」育てることを真剣に考えるなら、根に物理的な支え(アンカー)を提供でき、根の呼吸環境も整えやすい「ハイドロカルチャー」が断然おすすめです。

水だけでもモンステラは驚くほどの生命力を見せてくれますが、長期的な安定性や管理のしやすさを考えると、ハイドロカルチャーが「ずっと」育てるための最適解かなと私は思います。

土からの植え替えは非推奨な理由

購入した後の植え替え緑のしおりイメージ

「じゃあ、今ある土植えのモンステラを水耕栽培にしよう!」と考える方もいるかもですが…うーん、これは経験上、本当に慎重になるべきで、正直あまりおすすめしません。これは、植物にとってものすごいストレスがかかる大手術みたいなものなんです。

なぜ難しいの? 根の性質が「根本的に」違うから

理由はシンプルで、土の中で育った「土根(つちね)」と、水の中で育つ「水根(すいこん)」は、見た目も機能もまったくの別物だからです。

  • 土根(つちね):土の中のわずかな隙間から水分や養分を効率よく吸収するため、細かな「根毛(こんもう)」がたくさん生えています。空気に触れることには慣れていません。
  • 水根(すいこん):水中での酸素の取り込みに最適化された、白くて太く、根毛がほとんどない根です。水に浸かる前提の構造をしています。

土根をいきなり水に浸けると、根毛はすぐに腐り始め、根はうまく呼吸ができずに適応できず、徐々に枯れていきます。植物は生き残るために必死に新しい「水根」をゼロから生やそうとしますが、その前に古い土根が広範囲に腐敗し、その腐敗菌で水質が最悪の状態に…。結果、株全体がダメになってしまうリスクが非常に高いんですよね。

もし、根腐れした株の救助などでどうしても実行する場合は、根を傷つけないよう流水で土を「完全に」洗い流し(この洗浄作業が一番の難関です)、根腐れ防止剤を必ず使い、植え替え直後は活力剤などでサポートするなど、細心の注意が必要です。

でも、これは本当に「救助」や「上級者向けのプロジェクト」として捉えた方がいいかも。

これから始めるなら、剪定した茎から「挿し木」としてスタートし、最初から水環境に慣れた「水根」を育ててあげるのが、一番失敗が少ない確実な方法だと私は思いますよ。

肥料の正しい与え方、頻度

パキラの生育期におすすめの肥料緑のしおりイメージ

水耕栽培の肥料って、土栽培の感覚でやると、ほぼ間違いなく失敗すると私は思っています。タイミングと方法を間違えると、良かれと思ったことが裏目に出る代表例かもしれません。

【最重要】肥料を水に直接入れないで!

「水だけじゃ栄養がないだろう」と、液体肥料(ハイポネックスなど)を容器の水に直接入れると、どうなると思いますか?

それは…雑菌や藻の大好物(超リッチな栄養スープ)になってしまうんです。植物が吸うよりも早く、水中の養分が一気に増えることで雑菌が爆発的に繁殖し、水中の酸素を猛スピードで消費してしまいます。結果、根が窒息(酸素不足)して「根腐れ」一直線…なんてことに。

じゃあ、どうやって栄養をあげるか。いくつか方法があります。

おすすめは「葉面散布(ようめんさんぷ)」

植物は葉からも栄養を吸収できるんです。ごくごく薄めた液体肥料(規定倍率よりさらに薄いくらいが安心)を霧吹きに入れ、葉の裏表にシュッとかけてあげるのが、一番安全で効果的かなと思います。根に負担をかけず、即効性もあります。実施するなら、葉焼けを防ぐために直射日光が当たらない曇りの日や、夕方がいいですね。

管理方法による肥料の考え方

1. 今のサイズを維持したい場合

実は、基本的に肥料は不要です。水道水に含まれるごく微量なミネラル要素だけでも、現状のサイズをキープすることは十分可能なんですよ。「大きくしたくない」場合は、肥料はあげないのが正解です。

2. もっと大きく成長させたい場合

春から秋の成長期(だいたい5月〜9月くらい)に、月に1〜2回程度、上記の「葉面散布」をしてあげるか、ハイドロカルチャー専用の肥料(水質悪化を抑えるように調整されたものや、イオン交換樹脂タイプ)を、必ず規定の希釈倍率と使用方法を厳守して使います。

冬は成長がほぼ止まる「休眠期」なので、肥料は絶対ストップしてください。根が吸いきれず、肥料焼けや根腐れの原因になります。

「活力剤」は「肥料」じゃない?

よくある「メネデール」や「リキダス」といった製品は、チッソ・リンサン・カリ(N-P-K)を含む「肥料」とは区別されます。例えば、メネデールはメネデール株式会社の公式サイトによると、肥料(N-P-K)を含まない「活力剤」に分類されています。

主な役割は、発根を促したり、植え替えのストレスを和らげたりすること。これらは発根管理の際などに水に加えるのはとても有効ですが、植物の主食である「肥料(ごはん)」とは別物(サプリメントや栄養ドリンク)として考えると分かりやすいですよ。

気根の扱いはどうする?

なぜガジュマルの気根が細いままなのか?モンステラが元気になってくると、茎の途中からニョキニョキと茶色い根っこ(気根)が出てきますよね。自生地では、これで他の木に張り付いたり、空気中の水分を取り込んだり、体を支えたりします。

「見た目がちょっとワイルドすぎる…」「邪魔だから」と切ってしまう人もいるかもですが、気根はモンステラの大事な器官なので、切らない方がいいです!あれは、モンステラが体を支えたり、空気中の水分を取り込んだりするための、とっても大事なアンテナ兼、支え棒なんです。

水耕栽培(ハイドロカルチャー)の場合、この気根も積極的にハイドロボールの中や水中へ誘導してあげましょう

無理に曲げて折らないように注意しながら、優しく容器の中に入れてあげます。水やハイドロボールに触れた気根は、先端から白い根(水根)を伸ばし始め、やがて水を吸収する根へと変化していきます。株がより安定しますし、水分吸収の効率もアップ。まさに一石二鳥ですね。自然の姿を活かしてあげるのが一番です。

冬の水換えと管理のコツ

モンステラの水耕栽培で伸びた気根を優しくハイドロボールの中に誘導する日本人女性緑のしおりイメージ

モンステラは熱帯アメリカ原産の植物なので、当然ながら寒いのが苦手です。日本の冬越しは、特に水耕栽培にとってはちょっとしたハードルかもしれません。

水換え頻度

夏場は水が高温になって腐りやすいので「1〜2日に1回」など頻繁な交換が必要ですが、冬は水温が低いので雑菌の繁殖も穏やかです。また、植物自体の水の吸い上げも鈍くなります。

「水挿し」の場合は「3〜5日に1回」程度でも大丈夫かなと思います。(※ただし、暖房の効いた暖かい部屋では、夏場に近い頻度が必要な場合もあります)。

「ハイドロカルチャー」の場合は、水の蒸発が遅くなるので、逆に「乾燥期間」を意識して、水のやりすぎ(常に水が溜まっている状態)に注意が必要です。

最大の注意点:水温

冬の管理で一番気をつけてほしいのが「水温」です。これは本当に重要です。

冷たい水は厳禁!根っこが凍えます

冬場に、蛇口から出たばかりの冷た〜い水道水をジャーっといきなり入れると、どうなるでしょう?

根っこが「ヒートショック」ならぬ「コールドショック」を起こし、大きなダメージを受けてしまいます。根の細胞が傷つき、一気に弱ってしまいます。これが引き金となって根腐れすることもあるんです。

水換えの際は、必ず室温と同じくらいか、少しぬるいくらい(15℃〜20℃程度)の水を使ってあげてください。あらかじめバケツなどに汲み置きして室温に慣らしておくのが一番手軽で安全ですね。

置き場所と湿度

冬は、窓辺は夜間に外の冷気で急激に冷え込みます。日中は良くても、夜はガラス越しに冷気が伝わり、水温も気温も想像以上に下がります。

寝る時は部屋の中央の、最低でも5℃、できれば10℃以上を保てる暖かい場所へ移動させるなど、置き場所を工夫してあげてください。

また、もう一つの敵が「乾燥」です。エアコンの暖房は、空気をカラカラにします。モンステラは多湿を好むので、定期的に「葉水(はみず)」(霧吹きで葉に水をかける)をして、葉の乾燥を防ぎ、ハダニなどの害虫予防もしてあげましょう。

モンステラ水耕栽培をずっと維持する管理術

基本がわかったら、次は「ずっと」維持していくための、一歩進んだ管理術です。水耕栽培で一番怖い「根腐れ」の対策や、モンステラが出す「サイン」の読み解き方、そして「成功の証」でもある、大きくなった時の対処法を見ていきましょう。ここが一番のキモかもしれません。

最大の敵、根腐れの予防と対策

根腐れや虫の心配緑のしおりイメージ

水耕栽培の失敗原因、第1位は間違いなく「根腐れ」だと思います。これを防げれば、もう8割は成功したと言ってもいいかもしれません。土栽培と違って根が常に見えるからこそ、予防も早期発見もしやすいのが水耕栽培のメリットでもあります。

根腐れは「酸素不足」で起こる

根腐れは、単に「水が多い」から起きるのではなく、「水中の酸素がなくなった」状態(嫌気状態)で根が呼吸できなくなり、そこに酸素を嫌う悪い菌(嫌気性細菌)が繁殖して、根を攻撃し、腐らせてしまうことで起こります。

予防策がすべて!

一度根腐れすると復活はとても大変(不可能ではないですが)なので、とにかく「予防」が大事です。

パーシー流・根腐れ予防の4カ条

  1. 水位は常に低く!:これが一番大事かも。容器の底から1〜2cm程度、根の先端が浸かるか浸からないか、くらいがベスト。根の先端で水を吸い、根の大部分は容器内の湿った「空気」に触れることで「呼吸」できる状態を作ります。満水は根を窒息させる行為だと覚えておいてください!
  2. 水は「水道水」で:浄水器を通した水やミネラルウォーターは、殺菌作用のある塩素(カルキ)が除去されているため、雑菌が爆発的に繁殖しやすく、水がすぐ腐ります。水道水に含まれる微量の塩素が、腐敗を防ぐ天然のお守りになるんです。カルキ抜きは絶対に不要です。
  3. 根腐れ防止剤を使う:「ミリオンA」(珪酸塩白土)や「ゼオライト」などが代表的ですね。これらは水を浄化し、雑菌の活動を抑制してくれる効果が期待できます。容器の底に一層敷いておくだけで、保険として大きな効果があります。
  4. 水に肥料を入れない:これは先ほどお話しした通りですね。雑菌の栄養源を断ちます。

もし臭ったら…緊急対処法

「あれ?なんか水がドブ臭いかも…」「容器の内側がヌルヌルする…」「根が茶色くブヨブヨしてきた…」

と感じたら、それは根腐れの初期サイン。水の交換予定日じゃなくても、即座に水を全交換してください。

もし根がブヨブヨしたり、茶色く変色したり、黒くなっていたら、それはもう腐敗が始まっています。以下の処置を試みてください。

  1. モンステラを容器から優しく取り出します。
  2. 容器を食器用洗剤などで洗い、雑菌の膜(バイオフィルム)を完全に落とし、よくすすぎます。
  3. モンステラの根を流水で優しく洗います。
  4. 清潔なハサミ(できればアルコール消毒したもの)で、腐敗している部分(黒い、ブヨブヨ、ぬめり)を、ためらわずに全て切り落とします。少しでも残っていると、そこからまた一気に広がります。白くて硬い、健康な部分だけを残してください。
  5. 健康な部分が残っていれば、その部分を新たな「挿し木」として、新しい清潔な水(と根腐れ防止剤)を入れた容器で、発根管理からやり直します。

早期発見が本当に重要なので、水換えのたびに「水の臭いを嗅ぐ」のを習慣にするといいですよ。健康な水は無臭か、わずかにカルキの匂いがする程度です。

処置は自己責任での判断をお願いします

ここで紹介した方法は、あくまで一般的な対策の一例です。植物の状態は個々に異なりますし、私も専門家ではありません。対処が難しいと感じたら、園芸の専門家や詳しいお店の方に相談することをおすすめします。大切な植物を守るため、慎重な判断をお願いします。

葉が黄色い時のサイン

葉が黄色や茶色に変色し垂れ下がったモンステラの根鉢を鉢から引き抜く手緑のしおりイメージ

モンステラの葉が黄色くなると、すごく不安になりますよね。でも、慌てないでください。まずは「どの葉が」黄色いか、「どのように」黄色くなっているかを冷静に観察することが大事です。

ケース1:一番下の古い葉が1枚だけ、ゆっくり黄色くなる

これは、「新陳代謝」である可能性が非常に高いです。植物が新しい芽を出すために、古い葉に蓄えた栄養を(新しい芽に送るために)使い切って、役目を終えた葉が枯れていくだけ。これは病気ではなく、むしろ「私、ちゃんと成長してますよ」という正常なサインなので、心配いりません。完全に黄色くなった葉は、見栄えも悪いので根元からカットして大丈夫です。

ケース2:複数の葉や、新芽に近い葉まで黄色くなる

これは何らかの不調のサインかもしれません。植物が発する「SOS」なので、原因を探る必要があります。

考えられる原因チェックリスト(トラブルシューティング)

症状 主な原因 対策
葉全体が、色あせたように黄色くなる 光不足 一番多い原因かも。暗すぎると光合成ができず、葉を維持できなくなります。もう少し明るい場所(レースカーテン越しなど)に移してあげましょう。
葉のフチや先端から黄色く(または茶色く)なる 肥料焼け・濃度障害 (もし肥料をあげていたら)肥料が濃すぎたり、頻度が高すぎたりすると、根がダメージを受けて黄色くなります。即座に肥料を中止し、水換えをしてください。
黄色くなり、茎や根元がブヨブヨする 根腐れ 最も深刻な原因。根が機能不全に陥り、水分や養分を吸えなくなっています。水の臭いや根の状態を至急チェック(上記「根腐れ」参照)してください。
冬場に、葉が黄色くなったり、黒ずんだりする 低温障害 寒すぎる場所に置いているサインです(5℃以下など)。より暖かい場所へ移動させ、冷たい水やりを避けてください。

何が原因か、最近の置き場所や水やり、肥料の管理を振り返ってみてくださいね。多くの場合、複数の要因が絡んでいることもあります。

元気がない、枯れる原因は?

和室でモンステラの大きな鉢植えを手入れする日本人女性緑のしおりイメージ

葉っぱにハリがなくて、全体的にぐったりしている…。これも心配なサインです。

葉がしおれるのは、「根がうまく水分を吸い上げられていない」という単純な事実を示しています。

原因のほとんどは、やはり「根っこ」にあります

その原因が、

  1. 「根腐れ」で根が機能していない(水はあるのに吸えない)
  2. 「植え替え直後」で水根がまだ発達していない(吸う根が弱い)
  3. 「水切れ」(ハイドロカルチャーで「乾燥期間」を設けすぎた)

のどれかなのかを見極める必要があります。

まずは「根腐れの予防と対策」のセクションをもう一度チェックして、根の状態(臭い、色、ぬめり)を確認してください。もし根腐れが進行していたら、手遅れになる前に緊急対処が必要です。

植え替え直後の場合は、新しい水根が伸びるまで、メネデールなどの活力剤を使いながら、直射日光の当たらない明るい日陰でそっと見守るしかないですね…。植物の生命力を信じましょう。

ハイドロカルチャーでの単純な水切れの場合は、水位を元に戻せば回復することが多いです。

大きくなったら?切り戻しの方法

剪定に関するよくある質問と回答緑のしおりイメージ

水耕栽培の管理がうまくいって、モンステラがどんどん大きくなる。これは失敗じゃなくて「大成功の証」ですよね!

でも、天井につきそうになったり、葉が50cmを超えて部屋を圧迫するほど大型化したら、さすがに「仕立て直し(切り戻し)」のタイミングです。

「え、切っちゃうの?」と思うかもしれませんが、水耕栽培の仕立て直しは、土栽培で重たい鉢をさらに大きく植え替えていくよりも、実はとても簡単で合理的だと私は思います。

「更新」という考え方

「ずっと」の正体は、実は「単一の個体を何十年も維持する」ことではなく、「更新し続ける」ことなんです。

  1. 伸びすぎたモンステラの茎を、元気な葉や気根が付いている部分でカットします。カットする場所は、「節(ふし)」(葉の付け根の少し膨らんだ部分)のすぐ下がベストです。気根が出ている節なら、なお良いですね。
  2. カットした「上(先端側)」:これが新しい株(挿し木)になります。これを、今までの容器に植え直す(挿し直す)だけ。これでまたコンパクトなサイズからリスタートが切れます。
  3. カットされた「下(根側)」:これも捨てないで!根が元気なら、残った茎の「節」から、必ず新しい芽が吹いてきます。(むしろ、カットすることで新芽が刺激されて出やすくなることも)

このような挿し木による増殖は、植物が持つ「栄養生殖」という能力を利用したもので、農林水産省が推進する持続的な農業に関する資料などでも、植物を増やす基本的な方法として紹介されています。

こうやって「成長 → カット → 更新」というサイクルを繰り返すことこそが、水耕栽培で「ずっと」楽しむための核心的な技術なんです。株が増えたら、お友達に「里子」に出すのも素敵ですよね。

モンステラ水耕栽培をずっと楽しむ秘訣

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

モンステラ水耕栽培で「ずっと」育てることは、結論から言うと「可能である」と私は思います。

ただし、それは「一度セットしたら放置してOK」という魔法のような意味ではなく、「ずっとお世話(アクティブ・マネジメント)を続ける」という前提ですね。土栽培が「土(環境)の力」を借りるのに対し、水耕栽培は「栽培者(あなた)の管理」がすべてを決定します。

パーシー流・ずっと楽しむための3つの柱

  1. 【酸素の管理(予防)】最大の敵「根腐れ」は、酸素不足から始まります。これを防ぐ「1〜2cmの低水位」の維持と、根に呼吸させてあげる意識が何より大事です。
  2. 【衛生の管理(維持)】水は「水道水」を使い、「定期的に交換」し(臭う前に!)、そして「肥料を水に直接入れない」。この3つで、根が健康に過ごせるクリーンな環境を維持します。
  3. 【サイズの管理(更新)】「ずっと」とは、大型化したら「仕立て直し(切り戻し)」を行い、新しい株として「更新」していくサイクルそのものです。この「更新の容易さ」こそ、水耕栽培の大きなメリットです。

土栽培とはまた違う管理のコツが必要ですが、一度このリズムを掴めば、清潔でおしゃれな水耕栽培を、文字通り「ずっと」楽しむことができますよ。

この記事が、あなたのモンステラとの生活を「ずっと」楽しむための一助となれば、私もうれしいです。

免責事項

この記事で紹介した育て方や対策は、あくまで私個人の経験や学んだことに基づく一例であり、すべての環境での成功を保証するものではありません。植物の状態は、お住まいの地域の気候や、日当たり、個体差によって大きく異なります。

最終的な管理や処置の判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。また、深刻な問題や専門的な判断が必要な場合は、園芸の専門家や詳しい販売店にご相談されることを強く推奨します。

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